サボテン
人並みの幸せを願うため
灰色の雲に手を伸ばす
瞳で交ざり合う 憂う雫
不幸を食べていては前は向けない
雨上がりの空には虹が架かるという
足元に残るのは水溜まりだけだった
明日を知るのが億劫で
死にたくなる日もあるでしょう
1回自分を殺してみましょう
そしたら自由になれるでしょう
難しく考えすぎないで
生まれた意味なんて無いんだから
今、楽しいと思える事を
繋いでいけたら幸せだ
この世に生まれて良かったと
死ぬとき言えたら幸せだ
人並みの幸せを願うため
心の花壇に水をやる
想像できないと思うけど
あなたにも花は咲くらしい
薔薇は棘があるから美しいという
仙人掌の美しさは分からないや
誰を愛するべきなのか
分からないときもあるでしょう
まずはあなたを愛してみましょう
きっと幸せになれるでしょう
どうしようもなく冴えない
君にしか抱けない感情を
苦しくたって 汚くたって
大切に育てていけたら幸せだ
この世に生まれて良かったと
死ぬとき言えたら幸せだ
やさしい花
あなたがくれた優しい言葉
あなたがくれた真っ赤な薔薇
鉄とシンナが綯い混じる
瞳を潤す 耽美な香り
僕がケガをしないように
綺麗にトゲを折ってくれた
白魚の喉を貫いて
滴る涙はチーク紅
赤のペンキを花に塗った
それがあなたの強さなのだろう
僕なら真っ赤な手を見せて
「これが愛だ」と叫んだに違いない
そんな夢を見たんだ
優しさを追いかけてたら
ベッドの中にいるんだ
この浅ましい世界には
優しさなんて無いんだった
枕元で揺らめく世界が
証明してくれた気がしたんだ
他者を想う行動を叡智は優しさと呼んだ
この世の全ての優しさを僕らは架空とみなす
優しくなるために水遣りを始めた
乾いた心を潤すために
だけどそんな作業で心は満たされない
悪党だって優しくできるんだ
本物になんてなれるわけなかった
優しくなるために欄干に生ける
亡くしたあなたを弔うために
優しい人は憂いを重ねるだけなんだ
悪党だって優しくできるんだ
本物になんてなれるわけなかった
僕とあなたの間に
狂暴な花を咲かせるよ
誰が為の優しさで
傷付け合って生きていこう
打算的な情愛を彼等は偽善と呼んだ
この世の全ての偽善を僕らは優しさとみなしたい
縁切り星
流れ星に縋る僕は
今日も首を斜めに振ってる
君の言った、愛してる?の問いかけも
昨日の目線で終わらせた
3回唱えた僕は
今日の終わりに手を振ってる
僕の言った、愛してるの投げかけに
君の瞳が頷いた
君の愛が地面に落ちた
輝きも無ければ 速度も無い
だけどそれは美しかった
完成されたラブソングはつまらない
誰が喜ぶのかも分からないし
汚くも美しい愛を唄いたい
恋は美しいと、愛は美しいと
フィクションに諭されてしまったから
それはもう覆すことはできない
世間の恋が美しくないなら
せめて自分の恋だけでも美しくありたいと
恋愛不適合者だから言える精一杯の強がり
その美しいカケラが
僕の頭上で弾け飛んでくれたらいいのに
そしたら僕も来世は幸せになれるかな
ミルクを零しても泣くなよ
恋人を失くした時に伴う酷い苦痛は
依存するものを無くしただけの喪失感
依存体質なら涙を流すのは当たり前だ
「失って気付く」なんて美しい言葉を
自分も得ることができたと勘違いして
拙い心を肯定しようとする
失って気付いたものが
人を愛する心だとは限らない
そうなるとまた愛は見えなくなる
負の感情すらも教えてくれないなら
いつ愛するを実感できるんだ
だから溢れたミルクを見て
涙を隠せるくらいがちょうどいい
だけど、自分を騙して
次に愛する人を騙して
幸せに眠れるならそれでいい