Hinata’s diary

詩のようなものを書いています。Twitter→@hinata_mnst

サボテン

人並みの幸せを願うため

灰色の雲に手を伸ばす

瞳で交ざり合う 憂う雫

不幸を食べていては前は向けない

雨上がりの空には虹が架かるという

足元に残るのは水溜まりだけだった

 


明日を知るのが億劫で

死にたくなる日もあるでしょう

1回自分を殺してみましょう

そしたら自由になれるでしょう

 


難しく考えすぎないで

生まれた意味なんて無いんだから

今、楽しいと思える事を

繋いでいけたら幸せだ

この世に生まれて良かったと

死ぬとき言えたら幸せだ

 

 

 

人並みの幸せを願うため

心の花壇に水をやる

想像できないと思うけど

あなたにも花は咲くらしい

薔薇は棘があるから美しいという

仙人掌の美しさは分からないや

 


誰を愛するべきなのか

分からないときもあるでしょう

まずはあなたを愛してみましょう

きっと幸せになれるでしょう

 


どうしようもなく冴えない

君にしか抱けない感情を

苦しくたって 汚くたって

大切に育てていけたら幸せだ

この世に生まれて良かったと

死ぬとき言えたら幸せだ

やさしい花

 

あなたがくれた優しい言葉

あなたがくれた真っ赤な薔薇

鉄とシンナが綯い混じる

瞳を潤す 耽美な香り

 

 

僕がケガをしないように

綺麗にトゲを折ってくれた

白魚の喉を貫いて

滴る涙はチーク紅


赤のペンキを花に塗った

それがあなたの強さなのだろう

僕なら真っ赤な手を見せて

「これが愛だ」と叫んだに違いない

 

 

そんな夢を見たんだ

優しさを追いかけてたら

ベッドの中にいるんだ

この浅ましい世界には

優しさなんて無いんだった

枕元で揺らめく世界が

証明してくれた気がしたんだ

 

他者を想う行動を叡智は優しさと呼んだ

この世の全ての優しさを僕らは架空とみなす

 

 

優しくなるために水遣りを始めた

乾いた心を潤すために

だけどそんな作業で心は満たされない

悪党だって優しくできるんだ

本物になんてなれるわけなかった


優しくなるために欄干に生ける

亡くしたあなたを弔うために

優しい人は憂いを重ねるだけなんだ

悪党だって優しくできるんだ

本物になんてなれるわけなかった

 

僕とあなたの間に

狂暴な花を咲かせるよ

誰が為の優しさで

傷付け合って生きていこう


打算的な情愛を彼等は偽善と呼んだ

この世の全ての偽善を僕らは優しさとみなしたい

 

 

プラットホーム


いつか誰かが死んだ停留所

君への想いをゼロにして

あなたへ言葉を伝えよう

新たな愛で俯いてしまったあなたへ

 


白紙のダイヤグラム

なだらかな誘導ブロック

線路上で寝そべっていた

あの日の僕が短く嗤った

 


君に押されたと偽って

僕は暗闇に飛び込んだ

冷たくなったあなたの声を

いつまでも忘れられずにいたんだ

 

 

 

幾千と愛を数えてきたが

未だに何だか分からなくて

「死ぬまで分からない」とくぐもれば

「死ぬしかないね」と返されました

 


あの背中の温度を伝えたかった

あなたに「好きだ」と伝えたかった

君さえいれば何もいらないと

君じゃなくてもいいけどね

死んだ太陽と風鈴


家の縁に立たされて

庭に落ちた昨日を眺めている

木製の渡り廊下は

足音と不安を奏でた

 


屋根を仰いでも空は見えない

その目に映るのは硝子

吊られ絞め殺されたあなたは

紺碧に染まっていた

 


冷え切った心には

その音は凍えてしまいそうになるよ

風に煽がれたあなたは

今日も泣いているんだよ

あなたを救いたいと思ったんだ

 


舌を出して鳴らしてんだって

もっと素直になって欲しいんだ

美しくなって欲しいんだ

真面目さだけが美しいとは思ってないけれど

 


リンと鳴る様は

その響きのように凛とせず

だけど

今日の天気も分からない程に

目を奪われてしまったんだ

縁切り星

 

流れ星に縋る僕は

今日も首を斜めに振ってる

君の言った、愛してる?の問いかけも

昨日の目線で終わらせた

 


3回唱えた僕は

今日の終わりに手を振ってる

僕の言った、愛してるの投げかけに

君の瞳が頷いた

 


君の愛が地面に落ちた

輝きも無ければ  速度も無い

だけどそれは美しかった

 


完成されたラブソングはつまらない

誰が喜ぶのかも分からないし

汚くも美しい愛を唄いたい

 

 

 

恋は美しいと、愛は美しいと

フィクションに諭されてしまったから

それはもう覆すことはできない

 


世間の恋が美しくないなら

せめて自分の恋だけでも美しくありたいと

恋愛不適合者だから言える精一杯の強がり

 


その美しいカケラが

僕の頭上で弾け飛んでくれたらいいのに

そしたら僕も来世は幸せになれるかな

砂時計

 

手首を返したその日から
永遠を願っている
二つのガラスが
音を立てて時を刻む


君のは小さいね
なんて馬鹿にして
それでも愛してくれるならって
笑ってみせた

だからだろうか
落ちていく速度は君だけ早くて
憂う僕の焦燥と涙は時を固めた


放った言葉の責任だとか
恋の前では何でもなくて
これでも愛してくれないならって
壊してみせた

なぜだろうか
落ちていく速度は僕だけ遅くて
君は僕の砂まで奪って消えたんだ

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ミルクを零しても泣くなよ

 

恋人を失くした時に伴う酷い苦痛は
依存するものを無くしただけの喪失感
依存体質なら涙を流すのは当たり前だ

「失って気付く」なんて美しい言葉を
自分も得ることができたと勘違いして
拙い心を肯定しようとする

失って気付いたものが
人を愛する心だとは限らない
そうなるとまた愛は見えなくなる
負の感情すらも教えてくれないなら
いつ愛するを実感できるんだ

だから溢れたミルクを見て
涙を隠せるくらいがちょうどいい

だけど、自分を騙して
次に愛する人を騙して
幸せに眠れるならそれでいい