Hinata’s diary

詩のようなものを書いています。Twitter→@hinata_mnst

ぬりえ

一瞬にして朽ちてしまった。僕が孤独に変わったその日、絵に感情を描き殴った。一面に塗りつぶされた黒。この重く苦しい複雑な感情を、こんな単純な作業でしか表せられないことに、憤りを覚えた。あの頃の僕に多大な苦しみを表現することも、押し殺すこともできなかった。あれ以来、僕は絵に期待なんてしていない。

僕はその作品に「夜」と名付けた。そして最後に月を浮かべる。一縷の希望はまだ僕を見ていない。ウサギを殺して、蜘蛛を描けば助かるんじゃないかと思った。優しくあれよと自分に言い聞かせた。別に意味なんて無いけど、なんとなく救われる気がした。