ラブソング
涙を重ねれば積もることなく
過去の涙が消えるだけだ
揺れる世界とともに溢れた
目の前の雨を飲み干していた
君のためならどうなってもいいとか
そんなこと言える人間じゃないから
誰かを好きになることも
自分のためでしかなくて
君が僕を愛せぬようになったなら
真っ先に君を呪いにいくよ
僕はそんな欲に犯され
君はそんな僕に犯され
何が愛か分からないまま
この部屋に雨を降らせるんだろ?
そんなことでしか僕の愛を
愛と呼べないと言うなら
この温度の無い温もりを
奪って溶かしていくんだ
君が死んだという事実に
涙は流さないと思うんだ
僕を愛してくれる誰かが
いなくなったという事実に
愛してくれるなら誰でもいいんだ
君が欲しいんじゃない
愛してくれる誰かが欲しい
そんな醜い感情に憑かれた僕に
君は気付いていたんだろ
だから僕を殺した
身体中に伝わる悲しみを
夏が終わらない焦燥を
不継続的なこの愛を
また飲み干していた